九州大学病院脳神経外科の先輩にあたる藤原繁先生が藤原脳神経外科クリニックをこの地に開設されたのが平成5年で、ちょうど私が医師となった年にあたります。それから約30年の長きにわたって地域の医療を支えて来た歴史あるクリニックを、御縁をいただき令和5年4月に継承し今年の春で2年が経過します。
病院で専門的な診療のみを行っていた勤務医の仕事とクリニックでの仕事は大きく異なるため、継承後試行錯誤をしてまいりました。まだ至らない点も多くありますが、日頃の診療においては①患者様の話をしっかりと聞くこと、②診察と説明に十分に時間をかけること、の2点を心がけています。そのためお待ちいただく時間がときに長くなることがあり今年はその改善ができるよう努力していきます。
また基本的な診療の方針を以下のように考えています。
① 頭部打撲、めまい、急性の頭痛、脳卒中を疑う症状(麻痺、言語障害、しびれなど)等『急ぐ』必要がある可能性のある症状で受診された患者様には、なるべく早く正確な診断を行い適切な治療を行います。当院にはCTがありますがMRIが必要な場合には近隣の複数の病院や画像診断クリニックと連携しなるべく当日中に撮影を行うようにしています。また病院での診療が必要な場合には福岡市民病院、原三信病院、九州大学病院などに速やかにご紹介いたします。
② 慢性の頭痛(片頭痛など)、痛み、てんかん、パーキンソン病、脳卒中、生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病など)、認知症などの病気で診療を受けておられる患者様は、今後長期間、おそらく一生これらの病気と付き合って行く必要があります。当クリニックではその『病気』に対する専門性の高い診療を行うことはもちろんですが、『かかりつけ医』として大げさに言えば患者様の今後の人生に少しでもお役に立てるように努めてまいります。通院が困難となった患者様に対する訪問診療を現在もすでに行っていますが、今後複数のクリニックと協力して24時間365日の対応ができるようにしていく予定です。また例えば発熱など、かかっておられる疾患以外の日常的な健康に対する診療も積極的に行っていく予定です。
③てんかん、パーキンソン病、振戦(ふるえ)、ジストニア、痛み(難治性疼痛)、痙縮といった機能神経外科と呼ばれる分野のご病気で苦しんでいらっしゃる方々の診療にも引き続き力を入れていきます。原三信病院および九州大学病院における手術も継続して行います。
本年も引き続きどうぞよろしくお願いします。
令和7年1月1日
おおはら脳神経クリニック 院長 大原信司
院長
大原 信司(おおはら しんじ)