けいれん発作を目撃したらどうする? ― 正しい対応と救急のタイミング」|おおはら脳神経クリニック|福岡市博多区の脳神経外科|てんかん・パーキンソン病

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けいれん発作を目撃したらどうする? ― 正しい対応と救急のタイミング」

けいれん発作を目撃したらどうする? ― 正しい対応と救急のタイミング」|おおはら脳神経クリニック|福岡市博多区の脳神経外科|てんかん・パーキンソン病

てんかんの症状や特徴については「『けいれん=てんかん』ではない ― 大人・高齢者に起こるてんかんの特徴」もあわせてご覧ください。

家族や職場の同僚、外出先で見知らぬ方が突然けいれんを起こす場面に居合わせたとき、どう対応すればよいか分からず、戸惑ってしまう方が多くいらっしゃいます。

てんかんの発作にはさまざまな種類があります。全身がけいれんするタイプ(全般強直間代発作)のほか、突然ぼーっとして動きが止まるタイプ(焦点意識減損発作)、体の一部だけが動くタイプなど、見た目は大きく異なります。このコラムでは、周囲の人が最も気づきやすく、対応に迷いやすい「けいれんを伴う発作(全般強直間代発作)」を主に想定して、正しい対応と、やってはいけないこと、救急車を呼ぶべき状況の見分け方をお伝えします。てんかんのある方のご家族はもちろん、職場や学校の関係者の方にも知っておいていただきたい内容です。

まず落ち着いて ― パニックにならないことが大切

けいれん発作を目撃したとき、最初に大切なのは「落ち着くこと」です。けいれん発作は見た目に激しく、周囲の人が動揺するのは当然ですが、多くの場合は2〜3分以内に自然に止まります。適切な対応をすることで、本人を安全に守ることができます。

発作中にすること

まず周囲の安全を確保します。本人が頭や体をぶつけないよう、近くの硬いものや危険なものを遠ざけます。眼鏡をかけていれば外します。可能であれば、頭の下にクッションや折りたたんだ上着などを置いて保護します。

次に時間を計ります。発作が始まった時刻を確認し、何分続いているかを把握してください。発作の持続時間は、その後の対応(救急車を呼ぶかどうか)の判断に重要です。

発作が落ち着いてきたら、体を横向きにします(回復体位)。これにより、口の中に分泌物や嘔吐物があっても気道をふさがないようにできます。

発作の様子を観察・記録します。可能であればスマートフォンで動画を撮影してください。発作の様子(体のどの部分が動いていたか、目はどちらを向いていたかなど)は、後で医師が診断する上で非常に重要な情報になります。

発作中にしてはいけないこと

体を強く押さえつけることはしないでください。けいれん中に体を無理に止めようとすると、骨折や脱臼などの怪我につながることがあります。発作は自然に止まりますので、周囲の安全を確保しながら見守ります。

口の中に何かを入れることは絶対にしないでください。「舌を噛まないように」と口の中に指やハンカチを入れることは、かえって危険です。けいれん中は歯を強く噛みしめているため、指を深く噛まれてしまうことがあります。また、舌を噛んでしまうことは実際にはほとんどなく、無理に防ごうとする必要はありません。

人工呼吸は基本的に不要です。てんかん発作中は呼吸が一時的に不規則になることがありますが、多くの場合は発作が終われば自然に回復します。

大声で呼びかけたり、水をかけたりして発作を止めようとすることも効果がなく、本人の混乱を招くだけです。

救急車を呼ぶべき状況

次のような場合は迷わず119番に電話してください。

けいれん発作が5分以上続く場合です。5分を超えても止まらない場合は「てんかん重積状態」の可能性があり、脳へのダメージを防ぐために早急な治療が必要です。

発作が止まったと思ったらすぐに繰り返す場合も救急が必要です。発作と発作の間に意識が回復しない状態が続く場合も同様です。

発作後に呼吸が回復しない、または顔色が悪い(青紫色)場合も、すぐに119番を呼んでください。

初めて発作を起こした場合、または発作の原因が分からない場合も、救急受診が必要です。

妊娠中に発作が起きた場合も同様です。

頭を打つなどの怪我をした場合も救急受診が必要です。

発作後の対応

多くのてんかん発作は数分で自然に止まり、その後本人は「発作後もうろう状態」になります。眠そうにする、ぼーっとする、何を言っているか分からないなどの状態が数分〜数十分続くことがありますが、静かに見守ってください。

意識が回復してきたら、落ち着いた声で「発作がありましたよ、大丈夫ですか」と声をかけます。本人は発作中のことを覚えていないことがほとんどです。

てんかんのある方のご家族へ

日頃から、本人の発作の特徴(どんな発作が起きるか、どのくらい続くか、発作後どうなるか)を把握しておくことが重要です。また、「発作が起きたらどうするか」をあらかじめ家族・職場・学校で共有しておくと、実際に発作が起きたときに落ち着いて対応できます。

なお、てんかんのある方の中には、発作の前兆(前駆症状)を自覚できる方がいます。「なんとなくいつもと違う感じがする」という前兆があれば、安全な場所に移動する、横になるなどの準備ができます。前兆の有無や内容について、本人と話し合っておくとよいでしょう。

「初めての発作」は必ず専門医へ

初めて発作を経験した場合は、たとえ短時間で自然に止まったとしても、必ず専門医を受診してください。てんかん以外の原因(低血糖・失神・脳卒中・脳腫瘍など)による発作の可能性もあり、原因の特定が必要です。また、てんかんであった場合も、適切な薬物治療を始めることで発作をコントロールできる可能性があります。

当院では、てんかんの診断・治療に力を入れています。「初めて発作があった」「発作の対応について相談したい」「てんかんと言われたが薬の選択や治療方針について相談したい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。週1回(金曜日午前中)は九州大学脳神経内科のてんかん専門医による外来も行っています。


※本コラムは、2026年8月時点で公開されている情報にもとづく一般的な医療情報です。実際の対応は状況によって異なります。緊急の場合は迷わず119番に連絡してください。

監修・執筆

最終更新日:2026年8月23日

おおはら脳神経クリニック 院長 大原信司(日本脳神経外科学会専門医)

おおはら脳神経クリニック
院長 大原信司

福岡市うまれ、九州大学医学部卒業。

日頃の診療においては①患者様の話をしっかりと聞くこと、②診察と説明に十分に時間をかけること、の2点を心がけています。

資格
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本臨床神経生理学会専門医
  • 日本定位・機能神経外科学会技術認定医
  • 迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医
  • 定位頭蓋内脳波(SEEG)資格認定医
  • バクロフェン髄注療法(ITB)資格認定医 など
所属学会
  • 日本脳神経外科学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本定位・機能神経外科学会
  • 日本臨床神経生理学会 など